丸メガネに累進レンズ
遠近両用や中近両用レンズを入れるメガネは、それらのレンズの設計上、メガネの玉型の縦寸が短いものは適しません。
そういうレンズを入れるには、少なくともどのくらいの縦寸が必要かと言いますと、レンズの累進部の長さにもよりますが、遠近両用ならおよそ30mm以上、中近両用ならおよそ35mm以上くらいあれば、見やすく作ることができます。
*ただし、目とレンズの間隔をかなり短く設定できる場合は、縦寸がもう少し短めでも使用可能となることがあります。
ところが、いま主流のスマートなレンズシェイプのメガネは玉型の縦寸が30mmよりも短いものが多いのです。
その点、丸メガネなら、玉型の縦寸が35mm未満というのは、まずありません。
40mm前後のものがほとんどです。
ですので、遠近両用や中近両用などの累進レンズを入れるには、たいへん好都合なわけです。
ただし、丸メガネなら、どんなものでも遠近両用や中近両用のレンズでうまく見えるかと言いますと、そうではありません。
遠近累進や中近累進の場合、鼻側下部の視野がきちんと確保されることが重要ですので、累進レンズを入れる丸メガネの鼻幅(メガネの中央部分における左右のレンズの間隔)が、装用者のPD(瞳孔間距離)に適合しているかどうかということが問題になってくるのです。
その場合、丸メガネ研究会の会員店ですと、丸メガネの玉型サイズだけでなく、鼻幅のサイズも豊富に持っていますので、あなたのPDに適合したサイズの丸メガネをお薦めすることができるわけです。
1)鼻側視野が足りない例
PD66の人が、42□32の丸メガネを掛けて手元を見ています。
耳側視野は十分ですが、鼻側視野が足りません。
<解説>
PD66=瞳孔間距離が66ミリ
42□32=フレームPD(左右レンズの中心から中心までの距離)が74ミリ
PDとフレームPDの差が8ミリ、左右で4ミリづつレンズの中心から内側に寄っているため、鼻側の視野が少なくなってしまっています。
2)耳側視野が足りない例
PD66の人が、42□20の丸メガネを掛けて遠方の側方を見ています。
側方視野が足りません。
3)丁度良い例
PD66の人が、44□26の丸メガネを掛けて手元を見たり、遠方の側方を見たりしています。
どちらの場合もフレーム視野は確保されています。